CC-02のステアリング外切れ問題に思うこと

 久しぶりにラジコンに復帰したいと思って、ほんとうに久しぶりに組み立てタイプのラジコンを買いました。ラジコンマガジンが来月で休刊になるというタイミングで。RC SportsとRC Worldはとっくに無くなってたんだね。

ふるさと納税が9月末までしかポイント還元がつかないこともあって…。タイミングとしてはいいかなと。




受信機が初期不良品で萎えてるところです。


さて、このCC-02シャーシですが、クローリングに使われてるかたも多いようですね。(ラジコンやめたあたりでちょうど流行りだしたジャンルなのでギリギリ知ってる単語)


CC-02シャーシ(タミヤ公式サイト)


いろいろクローラーとしては不満も多いようで(?)、様々な工夫をして乗り切られておられるようですが、たぶんCC-02は、CCのモデル名も示すように、クローラーとしてではなく、ツーリングカーを走らせられる平坦な舗装路のない人向けに用意した低コストモデルなのではないのかな…と思ってます。

組んでみて思ったことですが、かなりコスト要件が厳しいモデルと思います。

そもそも実売15000円のTT-02と3000円くらいしか変わらないし。


CC-02の足回りは前後共通が非常に多いのですが、これは金型費用を抑えるためでしょう。


フロントダブルウィッシュボーン・リア4リンクリジッドのCC-01から、多少の走破性向上とコストダウンを狙って前後共通アームの4リンクリジッドにしたCC-02では、こんな不具合が生じました。

”フロントステアリングタイロッドを通すスペースがない”


アッカーマン・ジャントーの原理といいますが、ステアリングは内側のほうが小さい半径を描いて曲がるので、内側のほうが切れ角が大きくなければなりません。

フロントナックルの回転中心(キングピン軸)とステアリングタイロッドのの取付点の2点を通る直線は、リア車軸と車体中央の線が交わる点を通らなければなりません。

画像2: 「きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識(飯嶋洋治 著/日刊工業新聞社)」より転載。
きちんと知りたい!自動車サスペンションの基礎知識(飯嶋洋治 著/日刊工業新聞社)

完全に予想ですが、コストのために前後共通ジオメトリーの4リンクリジッドにしました。サスストロークはできる限り確保したいので、シャシーと干渉するギリギリまでストロークできるように…したら、キングピンより後軸側にステアリングタイロッドを通すスペースがありません。

クローラーのようにサーボをホーシングにマウントしていたら逃げ場もあったかもしれませんが、あくまでクロスカントリー、バネ下重量の低減、かつサーボの耐久性要件などもあったのでしょう、シャシー側にステアリングサーボをマウントしました。

…キングピンよりフロント側しか、ステアリングタイロッドを配置する場所がありませんでした…

しかもこれはラジコン。ナックルを取り囲むように小さなタイヤが場所を侵食。キングピンからタイヤを避けて内側にナックルが入り込みます。シャシーの大きさでサーボの搭載位置も決まっており、あまりナックルを前後方向に伸ばしてできる限り悪影響を軽減することもできませんでした。

内側が異様に切れないシャシーが出来上がりました。


みなさん外切れ外切れっておっしゃってますし、「M-ray(Mura-ray)」「ラテラル追加」など対策されておられるようですが、これはアッカーマン・ジャントーの原理に少しでも近づくような工夫、と言い換えられます。


CC-01

先代モデルのCC-01はダブルウィッシュボーンなので、ステアリングタイロッドはキングピンより後ろ、かつキングピンよりも内側にステアリングタイロッド取付点が入り込んでいますよね。

スペース効率的にはだいたいこの配置が主流と思います。実車もそうなってるんじゃないかな。


製品企画とコスト、さらにはラジコンならではの事情…が絡まりあい、CC-02は外切れのステアリングという欠点を持ち合わせてしまったんだろうな…、と、組みながら思うのでした。

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